よく聞くサイエンスアクアって、どんなトリートメント?
福岡市中央区薬院の美容室「ラペ」の代表、草野です。
LA PAIX(ラペ)はワンストップサービスによる移動ゼロの個室空間で、髪の悩みを抱える方に喜んでいただける美容室です。
おかげさまで、ご新規様のリピート率94%、69%のお客様が20回以上のご来店いただいております。
今回は
「よく聞くサイエンスアクアって、どんなトリートメント?」についてのブログです。
サイエンスアクアとは?
S-AQUA(サイエンスアクア)は、アルカリ電解水の、油分を軟らかくするという特徴を活用したキューティクル移動理論。
アルカリ電解水を髪組織及びキューティクルに浸透させ、キューティクル間を軟らかくして移動させ、毛髪の形状を変化させます。
髪の毛が変形する原理は、キューティクル間に存在する、油分にOH(pH11.1程度)の最小分子のアルカリ電解水を浸透させ油分を「やわらかくする」「溶かす」という特性を利用します。
また、最小分子の水が、S-AQUA(サイエンスアクア)に混入させたホホバオイルや皮脂系油分が髪内部に浸透して、疑似修復も期待でき、潤いと艶を与え、美髪チャージ。
キューティクルの硬さ誤差を少なくして、クセの修正も可能です。
すなわち薬剤を一切使わない、ダメージ毛の改善方法であり、水とアミノ酸しか使わない画期的なトリートメントなのです!という宣伝文句をよく耳にしますが…
間違った認識は、非常に危険です。
成分には、還元剤であるグリオキシル酸が入っており、アルカリ電解水はph値が11以上の高アルカリ剤で、皮膚に付着すると炎症が起きる可能性もあります。
髪の毛の安定的なph値は4.5~5.5の弱酸性であるのに対し、縮毛矯正のph値が8〜9.5程度。ph11以上ですと、髪が膨張していくため、髪には負担となります。
さらに、最後に塗布する薬剤のph値が2以下という高酸性の薬剤で、強アルカリから強酸性へのpH移動の振り幅がとても大きいのが特徴です。
実際の工程を見てみましょう
1.ドライ状態から薬剤を塗布。もしスタイリング剤などがついていれば一度シャンプーをしてから完全にドライ。
2.最初にS-AQUA OH を塗布します。
※ S-AQUA OHの成分は精製水をろ過した水を、電気分解したアルカリ電解水(OH-)。石油系化学物質を使用しないアルカリ(pH11.1)
3.次にその上からS-AQUA モイスチャーを重ねて塗布します。
※ S-AQUAモイスチャーは2タイプ
成分はCMC及びアミノ酸系の脂質(pH6.8)と、脂質系アミノ酸。アルギニン、L-システイン配合。(pH7.2)
4.再度S-AQUA OH を塗布
この段階でキューティクル間にアミノ酸、脂質を浸透させて、 この状態でアイロン。
5.シリコンをかぶせた専用のアイロンでパネルごとに、髪の毛全体をプレスしていきます。
6.そのまま流して薬剤をしっかりすすぎます。
7.流したのちにそのままSーAQUA アミノ アシッドを塗布
※SーAQUA アミノ アシッドの成分はL-アルギニン、L-アスパラギン酸、ヒアルロン酸、サリチル酸、グリオキシル酸など19種類を配合した酸性アミノ酸(pH1.3)
8.完全ドライから再度アイロン
誰しもが喜ぶ艶髪の出来上がり!
となるのですが、しばらくすると「髪の毛が傷んだ」「毛先が縮れた」「髪を洗う度に、矯正をかけた感触と同じような手触りがする」というお悩みを相談されるお客様が多くいらっしゃいます。
なぜサイエンスアクアを施術された方からの相談が多いのか
“サイエンスアクアにはダメージになる成分は入っていない!”はずが、なぜこのようなことになるのか…。パッケージの裏の成分表を見て、一つ一つ調べれば分かるのですが、強アルカリから強酸性へpHを大きく移動する上に高温の熱処理を与えるという作業は、多少なりとも髪の毛に負担をかけていきます。
実は、正しい知識をもっている美容師が少ない
インターネット上で、「髪質改善」と検索すると、サイエンスアクアによるトラブルも多く、同じ美容師でも、知識と技術に差があり、施術にムラが出ている印象を受けました。
正しい知識と技術を持ち合わせた上で、お客様への過不足のない説明をしてご納得いただいて施術すれば良いのだと思います。
しかし、美容師であれば、誰でも薬剤を仕入れる事ができ、“水とアミノ酸だけのトリートメントでクセも伸びる人気のトリートメントです”などと言って施術をしてしまう美容師がいるから、犠牲になるお客様が続出してしまうのだと思います。
ラペは約3年間、500人以上、累計1200回以上のモニター検証
ラペでは乾燥やダメージ、エイジング毛に対する髪質改善としてのアプローチで喜んでいただいておりますが、遺伝的なクセや縮毛が一番のお悩みの場合であれば、正直にストレート系や縮毛矯正のメニューをひとまずご提案させていただきます。
お悩みとメニューの特性を正直に説明した上でご希望をお伺いします
個人差はありますが、この遺伝的なクセに対するアプローチはラペの髪質改善メニューでも、回数も多く必要としますが1ヶ月に1度の施術で2年後には縮毛矯正をしなくてもいいぐらいの髪質へと変化することもございます。
この場合、約2年間はクセによるストレスと一緒に生活することとなります。そのストレスを開放し、それから毎月のヘアケアでずいぶんと違った2年間になるとも考えられます。どちらが正しいかは感じるお客様次第となりますので私たちは押し付けはせず、ご希望にあったメニューをご提案いたします。
ウルトワトリートメント(ウルトワカラー)は繰り返す価値のあるトリートメントメニュー
少なくとも、繰り返すと良くなると言われる髪質改善で髪に負担を重ねてダメージさせるよりも、正直に状況と現状をお伝えし、ご希望にマッチした施術を行うことが、私たち美容師にとっても、お客様にとっても、正しい姿勢だということに行き着きました。
そう考えることが、お客様にとってリアルであり、親切な対応ではないかと思います。
これこそが本当の「髪質改善」ではないでしょうか?
<参考ページ>
◆ 髪質改善トリートメント
◆ 髪質改善カラー
〈記事〉
オーナースタイリスト:草野雅武